比肩
比肩は日干と同一五行で、かつ陰陽を同じくする変通星です。比肩とは「我」を意味します。それが発展して、自我、主体性、独立性を意味するようになっています。この比肩という星は、自主性、独立性、主体性を上手に発揮して、周囲の干渉に惑わされずにマイペースで事を成し遂げていくという吉の意味を持っています。ですので、この星を持つと環境による拘束を嫌い、自由を求めるようになります。そして、自分一人でやってみたい、発展したい、独自の道を探究してみたいという気持ちも強くなります。またこの星には、社会的な活動に情熱を注ぎ、活躍したいと願う意味もありますので、そこから社会性や職業性が強いという吉の意味も出てきます。この場合の社会性や職業性は、最初から備わっているというより、こつこつ努力して勝ち取りながら備わっていくものです。ですから、比肩を持つ人は地道に努力して技量や技術を発揮するような職人気質の持ち主です。それから、この星には逆境に強いという吉の意味もあります。この場合には、人と協力してやるよりは、自分の意志で道を切り開いていくのに向いています。したがって、この星の人は逆境に置かれるほどそれを克服していこうとする意志力が強く湧き上がってくるようなタイプです。孤独にも強靭に耐え抜いていきます。さらに、この星には何事もクールに割り切ってしまい、あまり複雑に考えないで前進していくという意味もあります。ですから、この星のタイプは竹を割ったような性格で、あっさりしています。また、周りの意見にとらわれず、自分の意見や主張を押し通してしまいます。
次、比肩の凶の意味を述べると、まず、この星が持つ自主性や主体性が強いという意味も行き過ぎると、協調性がなく排他的になって孤立してしまいます。また、社会性や職業性が過度に作用しますと、家庭を離れて働くようになり、家庭内の不和や離婚が多くなったりします。そして、比肩をたくさん持つ人ほど人生には逆境が多く、苦難が多いのです。それから比肩は、竹を割ったような性格なので、それが社交性の欠如として表れる場合があります。例えば、友達同士で集まっても周囲に合わせたり、調子を合わせて楽しむことがなかなかうまくできません。結局、孤独な気持ちを味わうことになってしまいます。マイペースであるが故に、周囲の気持ちが分からず、自分は満足していても周囲からは知らずうちに嫌われてしまっていたりします。
この様に、星には吉凶両面がありますので、自分の持つ星の特性をよく知って、良い所を伸ばしていきます。また、自分の存在が周囲に及ぼしている影響を考えながら、バランスの取れた生き方を心がけることが大切です。